1. ノートPC から デスクトップPC を操作したい
「ノートPC」と「デスクトップPCの本体」がある。ただし、モニターはなし。そこで、ノートPC をデスクトップPC のモニター代わりに使いたい。
ノートPC は古くて Windows XP がインストールしてある。CPU は Celeron M 1.4Ghz、メモリは 1.3 GB。今では Windodws XP ですら使用に耐えない。ブラウザを起動したら、他の作業がもたつく。
デスクトップPC の方は 5年前に自作したもの。CPU は Core 2 Duo E8400 3.00Ghz、メモリは 6Gで OS は Windows 7 。今でも日常的な用途には十分なスペック。ただし、デスクトップPC に接続するモニターやキーボード、マウスがない。
そのため、ノートPC からデスクトップPC を操作できるようにしたい。
2. ノートPC からデスクトップPC へリモート接続
ノートPC からデスクトップPC を利用するには、「リモート接続」をすれば良い。
デスクトップPC本体とノートPCの液晶画面の接続は可能ですか? - ノートPC - 教えて!gooによると、
ノートパソコンの液晶画面を取り外してデスクトップに繋ぐことは普通できません
しかしデスクトップパソコンで作業している内容をノートパソコンに表示したり操作することはできます
LAN などで接続する必要がありますが リモートコントロールや遠隔操作と呼ばれ各社からいろいろな製品が出ています
ASCII.jp:古いパソコンをリモート接続して活用する技 前編 (1/4)|柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」によると、
Windows 7/Vista/XPには、遠隔地にあるパソコンを手元のパソコンで操作できる「リモートデスクトップ」機能が搭載されている。性能の低い古いノートパソコンでも、デスクトップパソコンにリモート接続すれば、強力な処理能力を利用できる。
リモート接続する代表的なアプリケーションとして、Brynhildrや TeamViewerがある。
Windows にも標準でリモートデスクトップの機能はあるが、接続先の OS が Windows 7 HOME エディションなので利用できなかった。
リモート デスクトップ接続 - Microsoft Windowsによると、
この機能は Windows 7 のすべてのエディションで使用できますが、接続先は、Professional、Ultimate、Enterprise のいずれかのエディションを実行しているコンピューターである必要があります。
3. Brynhildr は LAN ではお手軽に使える
リモートデスクトップとして、高速な動作で有名なのは Brynhildr。
Vector 新着ソフトレビュー 「Brynhildr」 - シンプルで、誰でも簡単に使える“極高速リモートデスクトップ”ソフトによると、
ネットワーク経由でほかのパソコンの画面を表示するリモートデスクトップソフトには、さまざまな種類のものがある。例えば、WindowsのProfessional以上のエディションに標準で付属する「リモートデスクトップ」や、フリーのリモートコントロールソフトとして知られる「VNC」、あるいはその各種派生ソフトなどが有名だが、「Brynhildr」の特徴は、なんといっても動作の軽さ=高速性だろう。
動作が軽いことで定評のあるWindows標準の「リモートデスクトップ」だが、「Brynhildr」の動作の軽さはこの「リモートデスクトップ」に迫るほど。
「Brynhildr」の技術力はすごい。なにしろ「Brynhildr」は、マイクロソフトがワールドワイドで展開するMVP(Most Valuable Professional)アワードにおいて、日本人としては初めて「リモートデスクトップ」部門で受賞したほどなのだから。
試しに、Brynhildrより、最新のバージョンをダウンロードし、デスクトップPC とノートPC にインストールした。
a. 使い方
最初に、デスクトップPC で Brynhildr を起動し、Mode で ServerModeを選択した。そして、 IP アドレスを控えておく。必要であれば、Password を設定する。
次に、ノートPC で Brynhildr を起動し、Mode で ClientModeを選択。IP アドレスには、先ほど控えた IP アドレスを選択する。これにより、ノートPC からデスクトップ PC を操作できる。
b. 利点
Brynhildr が良かった点は、「日本語入力」を特に設定しなくても問題なく入力できるところ。レスポンスは、ブラウズを中心とした日常的な業務なら問題ない。
c. 外部ネットワークからの接続にはルータの接続が必要
ただし、IP アドレスを入力するのが面倒。
常時ノートPC からデスクトップPC を利用するためには、デスクトップPC を固定IP アドレスに設定しておく必要がある。ルータの DHCP の割り当て数と、ネットワーク内の PC の台数を確認し、IP アドレスが自動的に割り当てられない数値にしておくと良い。
外部ネットワークからリモートアクセスするには、ルータのポートフォワーディングの設定と、ダイナミックドメインネームシステムを利用する。
4. TeamViewer は想像以上にレスポンスが良い
次に、リモートコントロールの定番アプリケーションといえば、TeamViewer。
このアプリケーションは、LAN でも、ネットワーク越しでも意識することなくリモート操作できる。
ユーザー登録すれば、接続先のユーザを管理できる。
PC を起動した時に、TeamViewer を自動起動するようにしておけば、操作する側は TeamViewer を起動してすぐにリモートPC にアクセスできる。
当初、このアプリケーションは、リモートから簡単な操作をサポートする程度だと思っていた。しかし、使って見たら、レスポンスが想像以上に早かった。
- TeamViewer の表示 > 画質 > 画質の最適化
を選択しても、快適に使えた。
a. 接続先のPC (デスクトップ) の設定
最初に、接続先 PC に TeamViewer をインストールし、起動する。
接続先 PC にアクセスできるようにするため、「個人的なパスワード」を設定。「使用中のID」を控えておく。この ID はインストール時に固定される。
もしくは、TeamViewer 右下の「コンピュータ & パートナー」より、TeamViewer 用のユーザ登録して、ユーザー管理をしても良い。
b. 接続する側(ノートPC)の設定
TeamViewer 右下の「コンピュータ & パートナー」より、「リモートコンピュータ」を追加する。このとき、TeamViewer IDとパスワードは、接続される側の PC で設定した値を入力する。
更に、「詳細」をクリックし、「フルスクリーン」を「全画面」にしておくと、ノートPC からデスクトップPC に接続したとき、ノートPC を操作する感覚でデスクトップPC を操作できる。
「リモート画面解像度」は、ノートPC に最適の解像度に設定しておくと良い。
一度、設定した後に「プロパティ」ウィンドウを表示するには、対象のリモートPC のアイコンを右クリック> 「歯車」のアイコン「詳細」をクリック > 「プロパティ」を選択する。
c. 日本語入力の設定
TeamViewer の唯一の難点は、Brynhildr のように日本語入力を透過的に扱えないこと。
日本語入力をするには、ノートPC で TeamViewer を選択したときに、「直接入力」になっている必要がある。
日本語入力には、Google 日本語入力を使った。Google 日本入力は、IME のオン・オフのキーをカスタマイズできる。漢字変換に Ctrl + Space キーを割り当てた。
- Google 日本語入力のプロパティ > 一般 > キー設定
より、「編集」ボタンを押し、「Google 日本語入力キー設定」画面を開く。
下部の「編集」より、「エントリーを追加」を選択する。ここで以下のように IME の設定をした。
- 直接入力のとき、Ctrl + Space キーを入力すると、IME を有効化
- 入力文字なしのとき、Ctrl + Space キーを入力すると、IME を無効化
一度、ひらがなモードにしようとしたら、英数モードになってしまったことがあった。この場合、日本語入力が英数モードのとき、マウスでひらがな入力に変更する。もしくは、以下の方法を試してみる。
それでも入力が正常にできなくなったら、再起動すると良い。
d. ウィンドウを閉じたら、TeamViewer を終了
デフォルトで TeamViewer は起動すると常駐する。TeamViewer のメインウィンドウを閉じたときに、TeamViewer 自体を終了させたい場合は、
- TeamViewer のメインウィンドウ > その他 > オプション > 詳細
における「トレイメニューへの最小化」のチェックを外しておく。
5. Linux で Temviewer を使う
Windows XP を安全に使えるのは 2013年度まで。
Microsoft Windows XP – Wikipediaによると、
2014年4月8日に延長サポートが切れると更新プログラムの提供が打ち切られるのでマイクロソフトはWindows 8(もしくはWindows 7)への早めの移行を呼び掛けている。
その後は、Linux をノートPC にインストールして、TeamViewer を利用するのが良い。
例えば、Debian で TeamViewer を使うためには、以下を参照。
Ubuntu 系のディストリビューションを使いたい場合は、以下を参照。
Puppy 系のディストリビューションを使いたい場合、以下を参照。